遺品整理業と企業団体との連携
地方自治体
地方自治体は、市区町村や都道府県が有する行政機関で、住民票・戸籍の管理、福祉サービス、環境行政など地域に密着した行政事務を担う。一般廃棄物処理計画の策定や火葬・埋葬許可の発行など、遺品整理業務に直結する行政手続きも管轄している。
遺品整理業との連携ポイント
一般廃棄物収集運搬許可の確認、福祉課との連絡による生活保護受給者の遺品整理支援、家財道具の公費処分に関する情報提供などが必要。行政窓口を活用することで法令違反やトラブルを防止できる。
リサイクル業者
金属、紙、プラスチック、家電製品などを再資源化する事業者。資源循環型社会の構築を目的に、選別・破砕・再生原料化を行う。家電リサイクル法や資源有効利用促進法に基づく適正処理が求められる。
遺品整理業との連携ポイント
家電４品目や金属類の適正リサイクルを委託し、廃棄コスト削減と環境負荷低減を実現。回収証明書を取得してトレーサビリティを確保し、依頼者へ処理報告書を提出することで信頼性が高まる。
運送業者
貨物自動車運送事業法に基づき、一般貨物自動車運送事業や軽貨物運送事業を営む事業者。家具・家電・大型仏壇など、宅配便では扱えない重量物や長尺物の輸送を行う。
遺品整理業との連携ポイント
遠方の遺族宅への形見分け品配送や、買取業者への輸送を依頼。運送約款を確認し、運賠責任や梱包方法を共有することで破損・紛失リスクを低減できる。
消臭・消毒業者（特殊清掃業者）
オゾン発生器や次亜塩素酸水、光触媒などを用いて、死臭・生活臭・病原菌を除去する専門事業者。孤立死現場やペット多頭飼育住宅での特殊清掃に特化している場合もある。
遺品整理業との連携ポイント
遺品搬出前の一次消臭や、遺品搬出後の室内オゾン脱臭を実施し、近隣への臭気対策を徹底。作業工程書と薬剤使用記録を残し、依頼者に安心を提供する。
廃棄物処理業者
一般廃棄物または産業廃棄物の収集運搬・中間処理・最終処分を行う事業者。廃棄物処理法に基づき、許可番号や処分工程の管理が義務付けられている。
遺品整理業との連携ポイント
可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、危険物を分別後に適正処理を委託。マニフェスト伝票を交付して処理ルートを明確化し、不法投棄防止とコンプライアンスを徹底する。
リフォーム業者
内装、水回り、外壁などの改修工事を行う建設業者。建設業法や住宅品質確保促進法に基づき、施工品質や保証内容が定められている。
遺品整理業との連携ポイント
原状回復やバリアフリー改修、床張り替え、畳交換などを提案し、物件価値向上や早期売却につなげる。見積書の透明化と工期管理が満足度向上の鍵となる。
葬儀社
通夜・葬儀・火葬・法要の施行から、遺体搬送、葬祭関連手続きまでをワンストップで提供する事業者。葬祭ディレクター技能審査などの資格保有者が在籍することが多い。
遺品整理業との連携ポイント
遺影写真や位牌、供花などの祭壇品の整理や、お焚き上げ品の引き取りを調整。葬儀後の遺品整理スケジュールを共有することで、遺族の精神的負担を軽減する。
清掃業者（ハウスクリーニング業者）
住宅や空室の清掃を専門に行う事業者。建築物清掃業の登録や、洗剤・ワックス・高圧洗浄機などの専門資機材を用いたクリーニングを実施する。
遺品整理業との連携ポイント
遺品搬出後の床・壁・水回りの徹底清掃や、フローリングワックス仕上げを依頼し、賃貸物件の原状回復や売却前の美装を実現。作業範囲と料金体系を事前に明示し、追加費用トラブルを防ぐ。
