北海商事が掲げる遺品整理業務の定義
私たちが思う遺品整理業務について

遺品整理業務とは、亡くなられた方の住居や保管場所に残された動産を、故人やご遺族の意向に沿って仕分け・搬出・処分・保管・供養・再利用する一連の専門サービスを指します。家具・家電・貴重品・重要書類・想い出の品などを種類ごとに分類し、リユースやリサイクル、廃棄物処理、寺院へのお焚き上げ手配までを包括的に担う点が特徴です。加えて、簡易清掃や特殊清掃、相続関連の情報整理といった派生業務を行うことも多く、心理的ケアや法令遵守を含めた多角的なサポートが求められます。
遺品整理における供養の必要性

供養は、故人の魂を慰めるという宗教的・文化的配慮と、ご遺族の心情の整理を両立させるために必要とされています。形見や仏具などを正式に弔うことで、モノに宿る想いを大切にし、心理的負担を軽減できる点が大きな理由です。
宗教者を手配し現地で供養を行った後、お札や御守を設置して清める方法などがあります。供養証明書を発行し写真を添えてご遺族に報告することで、作業の透明性と安心感を提供できます。
お見積りの際の注意事項

見積り時は「作業範囲の明確化」が不可欠です。例えば、家電リサイクル対象品の搬出費用を別途計上するかどうかを明示しないと、後から追加料金が発生してトラブルになりやすいからです。数量・階段搬出の有無・車両台数・リサイクル料金などを細分化し、書面に残すことで料金の透明性を確保します。
多くのご依頼を受ける中で特に注意すべき事項

注意すべきは「法定代理権の確認」です。相続人全員の同意がない状況で作業を進めると、遺品の処分権限を巡る法的紛争が起こる恐れがあります。代表者の身分証・委任状を確認し、関係者の合意を文書で取得することが必須です。
一般廃棄物の運搬について

一般廃棄物の運搬は廃棄物処理法に基づき、市区町村の許可を受けた事業者のみが行えます。一方で運送業は貨物自動車運送事業法に基づき、貨物を有償で運搬する事業で、国土交通省の許可が必要です。運搬物の性質と許認可権者が異なる点が大きな違いです。
遺品とご不要物との違いについて

遺品は故人の財産に該当し、形見分けや相続の対象になる可能性があります。一方、ご不要物は所有権を放棄した単なる廃棄物で、行政指定に従って処分します。感情的・法的な価値の有無が両者の決定的な違いです。
遺品整理業務と行政機関との関わり
行政機関と連携することで、廃棄物処理法・古物営業法・個人情報保護法などの法令遵守が担保され、不法投棄や無許可営業といったリスクを回避できます。また、福祉課や地域包括支援センターを通じて、独居高齢者支援や福祉サービス紹介など付加価値の高い提案が可能になるためです。
遺品整理業と法規制との関わり
遺品整理業は、
- 一般廃棄物処理業許可(自治体)
- 古物商許可(公安委員会)
- 貨物運送事業許可(国土交通省)
- 個人情報保護法の遵守
など、複数の法規制が交差する複合サービスです。各工程ごとに必要な許認可を取得し、マニフェスト管理や帳簿記録を適切に行うことで、社会的責任とコンプライアンスを担保します。
相続放棄する家庭の増加と、遺品整理との関係性

負債超過や空き家管理の負担を理由に相続放棄を選択する世帯が増えています。その結果、遺品が無主物化し、行政代執行や管理会社による強制撤去が発生しやすくなっています。遺品整理士は、相続放棄予定者への早期アドバイスや資産評価・売却サポートを行い、遺品の放置・社会的コスト増大を防ぐ役割を担います。